Tableau Server を導入したばかりのころ、「フォルダに置いてあるExcelファイルをデータソースにしたのに、更新するとエラーになる」という壁にぶつかることがあります。本記事では、その原因と具体的な解決策を3つのステップに分けて解説します。
発生するエラー
Tableau Server 上でデータソースを更新しようとすると、以下のようなエラーメッセージが表示されます。
ファイル「FAKEPATH-xxxxxx」に接続できません。
ファイルが存在し、そのファイルに対する十分なアクセス権があることを確認してください。
このエラーは「ファイルが見つからない」と言っていますが、実際には アクセス権限・パス形式・許可設定 の3つが原因であることがほとんどです。順番に確認・修正していきましょう。
解決策1:実行ユーザーの権限を確認・設定する
Tableau Server はバックグラウンドで特定のサービスアカウント(実行ユーザー)として動作します。このアカウントが対象フォルダへのアクセス権を持っていないと、ファイルを読み込めません。
現在の実行ユーザーを確認する
まず、現在どのユーザーで動作しているかを確認します。
tsm configuration get -k service.runas.username
返ってきたユーザーがフォルダの読み取り権限を持っているかどうかを、Windowsのフォルダのアクセス権設定から確認してください。
実行ユーザーを変更する
権限を持つドメインユーザーに変更するには、以下のコマンドを実行します。
tsm configuration set -k service.runas.username -v "domain_name\user_name"
tsm configuration set -k service.runas.password -v "password"
設定を反映する
変更内容を保留一覧で確認し、適用・再起動します。
tsm pending-changes list
tsm pending-changes apply
tsm restart
ポイント:
tsm restartはサービス全体の再起動を伴うため、利用者への事前周知を忘れずに。
解決策2:ファイルパスをUNC形式で指定する
Tableau Desktop でExcelファイルに接続するとき、ローカルドライブのパス(例:C:\directory_name\file_name)を指定してしまうと、Tableau Server 側でそのパスが解決できません。
サーバー環境では必ずUNC(Universal Naming Convention)形式で指定します。
| 形式 | 例 | 結果 |
|---|---|---|
| ❌ ローカルパス | C:\directory_name\file_name | Server側で解決不可 |
| ✅ UNCパス | \\server_name\directory_name\file_name | 正しく参照できる |
Tableau Desktop で新たに接続する際、ファイルパスの入力欄に \\server_name\... の形式で入力してください。既存のワークブックを修正する場合は、データソースの編集からパスを変更します。
解決策3:tsmでネットワークディレクトリのアクセス許可を設定する
Tableau Server はデフォルトでネットワークディレクトリへのアクセスを制限しています。native_api.allowed_paths という設定がデフォルトで Null(未許可)になっているため、明示的に許可する必要があります。
現在の設定を確認する
tsm configuration get -k native_api.allowed_paths
値が空(Null)の場合、ネットワークパスへのアクセスが許可されていません。
アクセスを許可する
tsm configuration set -k native_api.allowed_paths -v "*"
セキュリティ上の注意:
"*"はすべてのパスを許可するワイルドカードです。社内ポリシーによっては、アクセスを許可するパスを具体的に指定(例:"\\fileserver\tableau_data")することを検討してください。
よくある間違い:似た設定との混同に注意
同じような設定名が複数存在するため、誤った設定を変更してしまうケースがあります。
# ❌ これは Tableau Prep 用の設定(間違い)
tsm configuration set -k maestro.input.allowed_paths -v "*"
# ✅ これが Tableau Server のネットワークディレクトリ許可(正しい)
tsm configuration set -k native_api.allowed_paths -v "*"
maestro がキーに含まれている設定は Tableau Prep Builder 向けのものなので、Server のExcel更新には効果がありません。
変更後は設定を反映します。
tsm pending-changes apply
tsm restart
まとめ
Tableau Server でExcelファイルの更新エラーが発生した場合、以下の3点を順番に確認・修正することで解決できます。
| # | 確認・設定項目 | コマンド / 操作 |
|---|---|---|
| 1 | 実行ユーザーの権限 | tsm configuration get/set -k service.runas.username |
| 2 | ファイルパスの形式 | Tableau Desktop 接続時にUNCパス(\\server_name\...)を使用 |
| 3 | ネットワークディレクトリの許可 | tsm configuration set -k native_api.allowed_paths -v "*" |
デフォルト設定のままでは動かないのは仕様上の制限によるものです。特に解決策3の native_api.allowed_paths は見落としがちなポイントで、かつ maestro.input.allowed_paths(Tableau Prep用)と混同しやすいため注意が必要です。
セキュリティと利便性のバランスを考慮しながら、適切なパス制限を設定したうえで運用してください。設定変更後は必ず tsm pending-changes apply と tsm restart を実行して、変更を反映させましょう。

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